一杯のコーヒー マヌケなヒーロー達R
「あの〜ここなんですか?」
「ああ、ここだ」
明らかに本部の中でも『特別』な方々が、例えるなら国賓級のVIPとかがいそうな場所だ。
両開きドアの大きさと材質からして、ちょー高そうな部屋の前に俺たちは連れてこられた。
「まさかサルバシオン太陽系宇宙警察連合のいっちゃんえらい総監が、俺たちを直々に怒るとかいうんじゃないでしょうね?」
「あの御方は下っ端をいちいち呼び出して叱るほど、とても暇人じゃない」
「ならえ〜と、上の方の無茶怖い方がいるとか?」
「この部屋におわすのは、確かにお前達にとっては上の方だ。まあ相手に寄るが、無茶苦茶怖いとは言いがたい御方だ」
俺たちは正直ホッとした。
相手によっては怖くないなら、俺たちなら大丈夫かも知れないと甘えた考えをもってみたり。
「今回あの御方の方から、愉快な話題を振りまいているお前達と直接会い、お話しがしたいと申されてな」
愉快な話題でならまあいいやとちょこっと思った。
「あの御方自らがマージェリーに出向かれようとされ、それを皆が必死にお止めしたくらいだ」
「誰だろ?」
てか俺たちに直接会って話したいと思うほど、俺たちのことを知っていて。
だけど上司らがマージェリーに出向こうとするのを、必死でお止めするような方って誰なんだろう。
すごくお偉いさんかなんかだろう、上司の話ぶりじゃな。
「ルクレイラさんの笑っている顔がGoogle、Yahoo!教えてgooと頭の中でさっきから回っている。なぜだろう」
超能力青年ディナミスが意味不明な言葉を発したが、上司の反応も俺たちの反応も薄かった。
「さあな。なぜだろうな」
上司は珍しいぐらいに、また笑った。
「とにかく今から部屋の中の御方にお声をかけるから、お前達もそろそろ黙っていろ」
「「「「「は〜い」」」」」
「返事はハイが一つだろが」
そして上司がちょー高そうな扉をノックした。
俺たちの心臓はさらに跳ね上がった。
「ラジョーネです。マージェリーの7716特殊部隊の者を連れて参りました」
『どうぞお入りなさい』
涼やかな女性の声が聞こえてきた。
「あれ〜。どこかでお聞きした覚えがある」
「言われてみればそうだな」
エオリアと俺が小声で話したら、上司が「黙っていろと言っただろ」と言ったので黙った。
俺たちは最初から最後まで穏やかな女性であって欲しいと願いながら、上司が開けた扉の向こうへ入っていった。
「(´Д`;)ヾ スミマセン。俺たち、部屋を間違えました!」
「ご、ごめんなさい〜!お見苦しい面をお見せしてりして、大変誠に失礼いたしました!」
「工工エエェェ(゚▽゚;)ェェエエ工工!ま、まさか本物ですか〜?」
「ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ 申し訳ありません〜!」
「ひゃあ〜( ̄▽ ̄;)マジッすか!?」
俺たちは部屋の中に一歩入ったまではいい。
んが!
いかにもゴージャスですな装飾品。
でも成金趣味じゃなく、おやっさんの店でも馴染みそうなものばかりだ。
天井が高く、左右も広い室内の中央にポンとおかれている超高級テーブルの向こうで、悠然と微笑む女性を見た途端。
俺たちは「場違い」と言う言葉を知った。
「マジで本物のあの御方ですよ!し、しかもひみつのあっこちゃんが鏡の向こうにいます〜」
エスパー青年ディナミスの前半の声だけを聞き、俺たちは速攻で部屋の外へ走って逃げ出した。

